ダイヤモンド 4Cの優先順位(6)カット(2)

Four-Cs

Quality or Weight

ダイヤモンド 4Cの優先順位(6)カット(2)

カットの考察(2)

輝きの要素

ダイヤモンドの輝きは、ブリリアンス(目に戻ってくる光の総体)、ディスパージョン(ファイア・内部で光がスペクトル効果を生み虹色に変化する現象)、シンチレーション(動くことによる特に表面のきらめき)の3要素で決まります。

ブリリアンスを重視するとテーブル径は広め、ディスパージョンを重視するとテーブル径は比較的狭めにするのが良いので、極限まで突き詰めていくと両者並び立たない微妙な関係です。

ブリリアンスはダイヤモンドを明るく、ディスパージョンは暗くなる半面、虹色の輝きが増します。

GIAがブリリアンスによってダイヤモンドを明るく感じる要素は、主観的に綺麗に輝いていると感じる理由として重要であるという見解のもと、国内AGLで理想的と考えられていたテーブル径の範囲を広げた事は、一部でカットグレードの評価が甘くなったという批評を受けた事もありました。

ダイヤモンドのブリリアンスとディスパージョンのどちらに魅力を感じるかで、そのダイヤモンドがより輝いて見える要素は人によって異なります。

またダイヤモンドの輝きは、3要素がご覧になる環境によって異なる姿を見せるため、同じダイヤモンドを同じ人間が見ても、その時々で見え方は異なります。

そのため実際に店舗で見ただけでは、そのダイヤモンドの輝きの全てを把握する事は出来ず、公平な判断のために取り入れられたのがGIAの主観評価でもある訳です。

海外ブランドでは、カルティエやモニッケンダム等ヨーロッパ系はブリリアンスを重視、ティファニーやラザールダイヤモンド等アメリカ系はディスパージョンを重視していると言われます。

GIA公式の主観評価が、他の主観評価と異なる場合もあるでしょう。

現在カットの最高グレードであるトリプルエクセレントハートアンドキューピット(3Excellent H&C)も、その全てが他の近似値にあるものと比べ、ブリリアンス並びにディスパージョンの双方で勝るとは言えませんが、双方のベストバランスを考慮し、その範囲を示したものであると言えるでしょう。