Four-Cs

Famous Diamond

「ウィッテルスバッハ」 WITTELSBACH

「再発見」されたブルーダイヤモンド

重量:35.50カラット

カラー:ブルー

クラリティ:記録なし

カット:オーバル ブリリアント

産地:インド

失われた宝物が発見されたら喜ぶのは当然の事です。

ウィッテルスバッハダイヤモンドもこの様な宝物のひとつで、ある王家から別の王家へと何世紀もの間引き継がれた後、1962年に「再発見」されるまで謎めいた行方不明になっていたのです。

この35.50カラットのダイヤモンドがインド産であることは間違いありませんが、いかなる経路でヨーロッパに渡ったのか誰も知りません。

西洋の記録に初めて登場したのは1664年で、スペイン国王フィリペ4世が娘に婚約の贈り物として与えたものでした。

その後ある王家から別の王家の手へと移り、遂にバイエルン皇太子カールアルベルトの所有となりました。

この素晴らしいブルーダイヤモンドは、皇太子の家名であるウィッテルスバッハ家にちなんで命名されました。

カールアルベルトはバイエルン選挙候に即位した後、何度もこのダイヤモンドの枠を取り替えており、いつしかそれが流儀となって、ダイヤモンドはきらびやかに装飾されていきました。

1918年にバイエルン共和国の財産になるまで、この豪華な作品は永らくウィッテルスバッハ家で受け継がれていました。

1931年にクリスティーで競売にかけられましたが、5400ポンドで落札された後、何が起こったか誰も正確なことは知りませんでした。

1932年、1951年、そして1955年と何回か非公式に売却されたという噂がありました。

ブリュッセルで万国博覧会に展示されたと言われますが真相は誰にも分かりません。

1962年にベルギーのダイヤモンド専門家ジョセフコンコマーが古いダイヤモンドの再カットのプランを依頼されました。

封を開けた時、彼は心臓が止まるほど驚きました。

この「古いダイヤモンド」こそ、他でもないウィッテルスバッハだったのです。

この有名なダイヤモンドを再カットするのは神を冒涜する行為であると考え、コンコマーは組合を組織しこのダイヤモンドを18万ポンドで購入しました。

1964年にウィッテルスバッハはある個人コレクターに買い取られ、現在でもその人物が所有しています。

本文の参考資料並びにソース:GIA DIAMOND GRADING